背番号

家族

背番号は母にとっても特別。

厳しい練習、悔しい失敗、辛い怪我を乗り越えて、
チームメイトと切磋琢磨してきた日々を知っているので、
背番号をもらって帰ってくると、嬉しくて嬉しくて。

前夜、眠い目をこすりながら、頑張れますように、
練習の成果が出ますように、と祈りを込めて縫いつける。
大変だけれど至福の時間。

まだ野球母初心者だった頃に、先輩母から
「試合中に集中が途切れないように、途中で糸を切らずに
1本の糸で4辺を縫うんだよ」と言うジンクスを聞いて以来、
途中で絡まっても糸を切れず、全部ほどいて縫い直すようになった。

反抗期にもなると、「ん」と渡し方もそっけないし、
「なあに」と答えると、ボソッと「お願いします」が聞けるくらい。
こちらも「お!やったね、背番号」と実にシンプルに受け取っているけれど
実は嬉しくてハグしたいのも、ぴょんぴょんしたいのも、グッと我慢している。

背番号を縫い付けたばかりのユニフォームを抱きしめて
「頑張って」「良い試合になりますように」と祈っていることは、
内緒の話。

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